野菜で被災地を応援しよう

joec03152011-06-09

ALSの力を信じてる。
強く未来を信じてる!
日本ALS協会として初めて「被災地支援の
街頭募金」を始める前夜、夜勤の学生二人と
作った横断幕のメッセージです。
ACのスマップのCMのパクリであることは
否定しませんが、何か伝えなければ、呼び戻
さなければ、東北のALS文化が社会から消
えてしまいそうな不安に付きまとわれて、眠
剤の量だけが増えた日々でした。

3月11日14時46分、東京は震度5強の長い
ゆれの中にいました。
介護用ベットは震度2でも、もれなく揺れて
しまうのですが、5強の揺れは「不動の身体
」ALSをも、ベッドから揺さぶり落としそ
うな揺れでした。
 玄関のドアを開け、ベッドをほぼフラット
にギャッジダウン。ちなみに今時の介護用べ
ベッドは、停電時にギャッジダウンだけはで
きますので、ご自分のベッドについてご確認
ください。これは重要なことです。
フラットにしないと、ベッドから落ちそうな
余震が続きました。学生のロッカーが倒れて
ワイングラスが1客割れて、私の被災者の立
場は終了。

テレビにはCGかと目を疑う映像。海が陸地
を追い回しているような不思議な映像。
打ちのめされて、自分が支援者の立ち場であ
る事を思い出していました。
ALSは重度重複障がい者ではありますが、
国の定める特定疾患であります。
介助者がいてくれれば生活できる人々ではあ
りません。介助者プラス災害時は、1〜2名
の避難要員が必要です。

こんな大災害では、動ける人のネットワーク
が必要になります。同時に、ALS特有の物
流も必要です。
今回の災害では、ALS協会として支援委員
会を立ち上げて、私は募金委員長になりまし
た。まだお振込でない方は、どうぞ日本AL
S協会にお尋ねの上、お振込をお待ちしてお
ります。03-3234-9155

さて、3月19日はいわき自立生活センターが
戸山サンライズに避難してきました。偶然A
LS協会の理事会でしたので、紙おむつや果
物、おにぎりなどを持っていくと、いわきで
はおにぎりばかり食べていたので飽きた、と
言われ、紙おむつも使わないのに集まっちゃ
ったんだよね、と元気な長谷川さんに言われ
てほっとしました。
実は、ALS患者は物がなくて介護者もいな
くて切ない現実でしたので、じゃあ仙台にち
ょうだいといった次第でした。

つい最近、総合福祉部会で岡山の末光先生に
うちでは離れた地域から支援し合うシステム
ができています、と言われ、目からうろこの
思いでした。
今回の被災地も、北東北と南東北に分かれて
活動していましたが、北も南も被災していま
した。
末光先生の言われるように、東北が被災した
ら東海が支援するというやり方は、とても合
理的で羨ましいシステムです。
さくら会では、品物を私が集めて、川口がC
ILにお願いする、という不合理なやり方を
続けていました。

3月19日は色々な意味で分岐点でした。理事
会中に「花巻の病院で電力不足による吸引器
の使用困難でご高齢の方が10人近く亡くなら
れた」と報道関係者からメールが入り、一方
で看護協会から「来週盛岡に行くけど、何か
ありますか?」とメールが入りました。また
一方で、いわきから40人近い利用者とヘルパ
ーがやってきています。そんないわきでも、
呼吸器を付けた患者は動かずに、いわきに留
まったので、ヘルパーも動けませんでした。
2月にJALSA講習会でご講演いただいた関先生
いわき病院津波で浸水して、入院中のALS
患者はヘリコプターで関東や日本海側に移送
されています。たった1ヶ月の間にこんなこと
がおきようとは、皆様に心よりお見舞い申し
上げます。2月・3月は、色々な用があって、
頻繁に厚労省に出掛けていました。本当に厚
労省の動きは早かったのに、沿岸部の被災地
は、時が止まっています。小学生が給食にパ
ンと牛乳とヨーグルトという信じられないメ
ニューで、「カレーライスが食べたい」と言
っているほど、復興は進んでいません。
この大震災で多くのことを学びました。CIL
の情熱的な支援、看護協会など専門職の構造
的なボランティア、様々なネットワークの存
在。現地の保健師に比べて、こちらの保健師
のゆったりとした対応。保健師のネットワー
クが、10年前ほど機能していれば、地球の住
民も頼る場所があったのに残念です。そうは
言っても、ほとんどの保健師が殉職された地
域もあるので、残された保健師さんには、日
本中、世界中に、この信じられない被災から
報告を広めてほしいです。
3月末に、極寒の新宿でJILの皆さんと始めた
街頭募金も、5月末でいったんやめました。