釧路 函館 八戸

啄木が何所で何を歌ったかは別として、深みを流れる望郷の思いは隠せない
兄は、夏から秋の二ヶ月ほどを秋刀魚漁に出ていた
長兄が出港する時代は、まだ紙テープの時代
年長さんの、よくお漏らしをする私の手を引き、母は泣いていたように見えた
兄は終戦前の子で、母は殆んど実家で子育てしたらしい
この兄への父母の思いは、どこか果てしなくずれていて悲しかった
これが目に見える戦争の傷 父母の思いも兄の思いも謎のまま時代が終る
やはらかに 柳あおめる北上の 岸辺目にみゆ 泣けとごとしに
琢木の視覚的表現は素晴らしいが、わたしの記憶力はオソロシー!

むかし文人は、流行を追うように若くして死を選んだ
それが一流の証のように死んでいった
長く生きれば良いものが書けるわけではないが、死ぬ事もないよなぁと思う。