薔薇日和

薔薇日和
このところバラに気持ちの良い日が続いてる。
兄の届けてくれたバラも、バケツの中で咲き競っている。呼吸器をつける前は、バラは黄
色と決めていた。香りも強さもちょうど良い。黄色に飽きたとはとても言えない。呼吸器
で嗅覚を失くしたと言えば、兄達は妹のALSを思い出してしまう。
一般にALS患者は、よく自分のために悲嘆にくれるものだと感動するぞ。私みたいに4
人もお兄たんのいる妹がメソメソしてたら大変だよ。涙がホロロッカか津波のように増幅
して押し寄せてくる。そして私は兄たちの涙が苦手だ。母を失くした時なんぞは、弟まで
加わってビャービャー、ウェーンウェーン泣いていて、私は困ってしまった。そんなこと
が多いので無理しても吾がままに振る舞い泣く暇を与えない事にしている。海が時化てい
るのに、魚を釣って来て!というのは、我が家では常識で、言われた兄は みさおがさぁ
、と言いながら指定の魚を任務のように捜し求める。私のワガママは、地元では尾ひれが
ついて有名なので、ご近所ご親戚も、みさおちゃんがねぇと言って気紛れに伝えた魚が手
品のように並ぶ。しかも、ほとんどの場合自分では食べない。食は目で楽しむ派なので、
秋には松茸も採ってきて!と言ってみたりすると出てくる。この松茸が寒冷地の松茸と、
微妙に違ったものだと知ったのはALS患者になってからで、調査するには手遅れだった

里は今、ひじき狩りの季節だとNHKのニュースが伝えていた。外房のひじきは肉厚で、
日本橋の乾物屋に陳列される上品な糸のようなヒジキとは少し違う。ピンクのバラが見た
いな。と思ったらお花屋さんの味沢から何色?と電話。
今日は追いコン。みんなお疲れ様でした。ポンちゃんよりありがとうございました。