ALS療養者読書する。

ALS・筋萎縮性側索硬化症
(きんいしゅくせい・そくさくこうかしょう)は、
ニューヨーク・ヤンキースの鉄人ルー・ゲーリック選手が罹患したことから、
米国では「ルー・ゲーリック病」として広く知られています。
(残念ながら、彼は発病後3年で亡くなりました。約70年も前のことです)
宇宙物理学のホーキング博士も著名な患者の一人です。
国の定める特定疾患、いわゆる難病のひとつです。
運動神経をつかさどる細胞だけが選択的におかされ、
終末期には呼吸筋も眼球も動かなくなる病気です。
国内の患者数は8000人強。
病態や進行は個体差が大きく、発症の年齢も様々です。

読書のかたち
進行性の神経筋疾患なので、文字を読む行為に大変な努力をしています。
毎日、新聞を読む人は専用の台を作り視野に応じて介護者が読書を介助しています。
専門書を読むとなると更に複雑で、
本の個性に合った書見台と読み手の個性に合った介助が必要です。
電子図書のサイトも利用は可能ですが、作品は限定されます。
障害者用のパソコンと連動したページめくり機もありますが、
高価なものです。
日本ALS協会は、数台の機械を保有して
期間限定で貸し出しています。

ALS患者が望むこと
健康な人が書店や図書館で本を手にするように自由に本を選びたい。
その本を自分の速度で自分の力で
読むことのできるツールの開発を進めて欲しい。

私の読書環境
現在は、障害者用のパソコンで電子図書を読む。
ブログに読みたい本の名前を載せてブログの検索機能で
読みたい本のサイトに飛ぶ。
短い本は、介護者に読んでもらう。

この3つの方法で本を読んでいます。
しかしながら、動く場所が右足の中指だけなので
ワンスイッチで全ての作業をしなければなりません。
全てを読み終わらないと好きなページに戻れません。
しかもほとんどは著作権の切れたもので新刊は読めません。
それはそれで楽しいのですが、
人生において大きな忘れ物をしていると
感じることも多くあります。