iPS細胞、治療利用認める契約…仏企業と

京都大の山中伸弥教授が作ったiPS細胞(新型万能細胞)の特許管理会社「iPSアカデミアジャパン」(京都市、社長=吉田修・京都大名誉教授)は18日、フランスのバイオ企業「セレクティス」に、治療目的でiPS細胞の利用を認める初のライセンス契約を結んだと発表した。


 再生医療の実現に向けて研究が加速すると期待される。

 特許料や詳しい内容は公表されていないが、再生医療に使う細胞を作るため、セレクティスはiPS細胞を体のいくつかの種類の細胞に変化させて製品化する予定だという。

 iPSアカデミアジャパンはこれまでに国内外の20社余りと契約を締結したが、その内容は、iPS細胞から作った細胞に、新薬の候補となる物質を投与して効果や副作用などを調べる「創薬」の分野に限られていた。同社は「今回の契約で、iPS細胞技術を実際の医療に直接役立たせる道を切り開くことができた」と評価している。

(2010年10月18日15時02分 読売新聞)